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Shoeshine Life2

Written by 長谷川 裕也January 30,2015

かなりお久しぶりな更新となってしまいました。

本日の東京は久々の大雪。こんな日は皆様どんな靴を履いて出かけられますか?

悪天候の日、僕はもっぱらパラブーツを愛用しております。元々登山靴から始まったブランドなだけあって悪路に強い頼れる相棒です。

靴こそ本当の意味で"人生を共に歩んでいく相棒"だと思っています。

良い靴は手入れと修理を繰り返しながら長く履けるのは、このサイトを見られている紳士の皆様はご存知だと思いますが、その象徴とも言うべき写真がこれですよね。

チャールズ皇太子のJohn-Lobb.jpg

この継ぎ接ぎだらけのエナメルシューズ。

世界有数のウェルドレッサー、チャールズ皇太子の靴です。

20歳の時にロンドンのJOHN LOBBでビスポークしてから、なんと40年間以上も履き続けているという靴。

痛んだ部分は同じ革でパッチで補修しながら履き続けている愛靴。

チャールズ皇太子くらい裕福であれば、なんの躊躇いものなく新しい靴を作ってしまいそうですが、そうではなく補修しながら大事に履いていくこの精神。正しく英国紳士ですね。

恐らく死ぬまでお履きになるのでしょう。

これぞ"人生を共に歩む相棒"です。

このパッチでの補修からインスパイアされて当店でもパッチでの靴の再生技術を行っています。

その名もチャールズパッチ!(そのまんまやないか!)

まずこれがヒビ割れしてしまった靴。

チャールズパッチB.jpg

ヴァンプ部分が細かいヒビ割れだらけです。

この部分に新しく革を上から被せてから穴飾りも再現して縫うと。。。

チャールズパッチ1.jpg

こんな感じでヒビ割れも分からなくなりました。

チャールズ皇太子の継ぎ接ぎとは違い、ヒビ割れしたパーツ全てを上から覆っていますのでより高度な技術が求められます。

やっぱりこの辺の感覚が日本人的なんだな~と思います。悔しいですが継ぎ接ぎが似合う英国紳士にはまだ程遠いです。

靴磨き職人とは、靴を磨くだけにあらず。

靴を再生するために、もてる技術と知識と色んなコネクション(超絶的な技術を持つリペアの職人など)を一足に注ぎ込んで靴を復活させる職業だと思います。

これまでの靴磨き職人の枠を超えた、靴の蘇生人として日々精進してまいります。

本日の大雪。きっとお客様は少ないでしょう。こんな時こそアトリエに籠ってじっくり靴達を向き合って参ります。

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