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インスピレーションの源に思いを馳せる展覧会 / ポール・スミス展

Written by 中野 香織June 13,2016

みなさま、こんにちは。またしても時間が空いてしまい、ごめんなさい。


今年は、以前ご紹介したファッション史展といい、大規模な展示会場まで作ってまったルイ・ヴィトン展といい、国立新美術館での知的なIssey Miyake展といい、ファッションに関わるすばらしい展示が大豊作なのですが、そんな勢いをさらに加速する展覧会が始まりました。

6月4日から京都国立近代美術館で開催されている、ポール・スミス展です。2013年にロンドンのデザインミュージアムで開催され、大好評を博した展覧会が日本にも来たのです。公式な開会に先立つ3日におこなわれた開会式と内覧会に、お招きいただきました。全部ご紹介するとこれからご覧になる方にとって興ざめなので、ごく一部を、チラ見せします。これからご覧になる方は「予告編」としてお楽しみください。
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ポール・スミスの初期のショップから仕事部屋、頭のなかなど、彼のクリエーションを生む舞台裏が再現されるブースが続きます。資料のひとつひとつ、机上にあるグッズひとつひとつの意味をあれこれ考えていくことで、彼の発想の源、生き方の根底にあるものを想像していく楽しみが味わえます。

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FullSizeRender (61).jpgポールが集めたアートや写真などが一面に壁を埋め尽くす「アートウォール」。これは、六本木に先だってオープンした旗艦店にも再現されていますね。写真で見るとピンとこなくても、いざ実物を目にするとその迫力に文字通り胸が高鳴ってきます。

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一面、カラフルなボタンでぎっしりと埋め尽くされた圧巻の壁。これが手作業で作られたのかと思うと、気が遠くなります。彼の服には時々、尋常ではない数のボタンがつくといういたずら(?)が施されたりしていますが、そんな服を思い出したりもします。こちらも、写真と現物では大違い。ぜひ前に立って、その異様な感覚を体感してみてください。

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そして数々の企業とのコラボレーション。一見して「ポール・スミス!」とわかるものもあれば、言われてみないとまったくわからないものまで、実にバリエーション豊かです。

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私がいちばん好きだったのは、コレでした!この大胆なポップ感こそ、スミス印。

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そしてようやく最後に服が登場します。一点一点みると、ほんとうにユニークで語りどころもあるのに、メンズ・レディスいっしょくたにぎっしり、というのはややもったいない気がしました。今シーズンのメンズ、ウィメンズのこのルック、ペアで着るとさりげなくひねりのあるカラーコーディネートが完成されるんですね。

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続く東京展、名古屋店では、ぜひここをもっと丁寧に見せてください(主催者さまへのお願い)。というか、あらゆる領域にアメーバ状に広がっていく現在のポールの世界においては、服が占める割合というのはそのくらいなのかもしれないな、とも思わされます。

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こんなフォトコーナーもあるのもSNS時代を見据えた展覧会ですね。インスタグラムにアップすると、カードにして印刷してもらえます。この日はポール・スミスの今シーズンのワンピースを着ていきました。彼の作る女性服は、どこかさっぱりしていて、透け感のある素材でも女っぽくならない(笑)。ま、着る人によるといわれればそれまでですが。

京都展は7月18日まで。東京展は7月27日から8月23日まで、上野の森美術館にて。そして最後に名古屋、9月11日から10月16日まで、松坂屋美術館にて開催されます。京都展開催中の7月3日には、ポール・スミスはじめ近現代のメンズファッションについて語るトークショーに登壇しますので、関西近辺の方、ぜひお出かけくださいね。

 

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