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ART PEPPER

Written by 伊知地 伸夫October 18,2017

僕がジャズを聴き始めた頃には、僕の好きなミュージシャン達は
ほとんどが亡くなっていて、リアルタイムで見聞き出来た
ジャズジャイアンツは多くはいませんでした。
高校時代になりますが、アートペッパーのLIVING LEGEND(1975年)が
発売された時のことは今でも覚えています。


ART PEPPER
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麻薬中毒により50年代後半の活躍を最後に何度も刑務所を行ったり来たりで
60年代後半は薬物中毒更生施設に入っていて、出所後の復帰アルバムでした。
ですから1960年を最後に15年ぶりのリーダーアルバムだったのです。
僕は当時アートペッパーはとっくに亡くなっていたと思っていたので
凄く嬉しくて毎日のようにこのレコードを聴いていました。
当時のスウィングジャーナルでも大々的に特集していたのを覚えています。
この頃のアートペッパーはコルトレーンの影響を受けていて、
彼本来の音とは違い、巷では賛否両論が出ていましたが、
僕にはどうでもよくて復活したことが嬉しかったのでした。

LIVING LEGEND(1975年)
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彼本来の音は、カルフォルニアの晴れた青い空で小鳥がさえずっている風景を連想させ、
得意のブルースを奏でる時は哀愁の漂う泣きの音色が魅力です。
代表作は1956年~57年にほとんどが録音されていて、
最高傑作と言われているモダンアート(1956)、マイルスのリズムセクションとの共演の
人気盤のミーツ ザ リズムセクション(1957)、ベサメムーチョが入っている
ザ アートペッパー カルテット(1956)などが有名でこれらのアルバムは
ジャズファンなら必ず持っている定番中の定番です。

MODEN ART 
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ART PEPPER meets The Rhythm Section
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The ART PEPPER QUARTET
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後年の彼は精力的に活動して数多くのアルバムを残しました。
リーコニッツやソニースティットともアルバムを作っています。
そのどれを取っても甲乙つけがたいのですが、
僕は1978年に出したAMONG FRIENDS(再会)がおすすめです。
このアルバムはモダンアートで共演した旧友ラス フリーマン(ピアノ)との再演です。
ラス フリーマンはお馴染みのチェットベイカーとも数多くのアルバムを残しています。
アートペッパー自身がラス フリーマンと再演したいと言い、彼を選びましたが
彼は13年間ジャズから離れていて、この話を断っていました。
何度も何度も熱心に頼み込んだ結果、クラブに出演していた
アートペッパーの演奏をわざわざ聴きに来て共演を決めたそうです。
よっぽどアートペッパーの演奏に説得力があったのでしょうか?
ドラムにはアートペッパーが苦しんでいる時に力になった
シェリーマンが務める予定でしたが、スケジュールが合わず
これまた旧友のフランクバトラーが担当することになりました。

曲目は思わずニヤリとしてしまう、ブルーボッサ、ベサメムーチョなど
僕の大好きな名曲ばかりと今回の為に書き下ろした再会などです。
50年代の絶頂期の頃と同じ曲を聴き比べしても面白いかと思います。
円熟味のある演奏が聴くことができます。

RUSS FREEMAN

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(写真は全て引用)
   
   
            
そんなアートペッパーも1984年に帰らぬ人になってしまいました。
今回のブログを書くにあたって、僕が持っているアートペッパーのアルバムを
全て聴き直しましたが、改めてアートペッパーの良さを再認識させられました。
ついつい口ずさんでしまうほど、魅力的な音色ですので皆様も是非とも聴いてみて下さい。

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