ERIC DOLPHY
May 03,2018
ジャズを聴き始めて以来、ずっと好きでいつ聴いても新鮮で
飽きが来ないミュージシャンの一人がエリック ドルフィーです。
昔、映画館で観た映画『真夏の夜のジャズ』で
チコ ハミルトン クインテットでフルートを奏でる
彼の姿に鳥肌が立つぐらい感動したものでした。
僕の時代はYouTubeもDVDも無く、
この映画で初めてドルフィーの演奏する姿を観ることが出来ました。
彼はとてもお洒落でグレースーツにラウンドカラーのピンホールシャーツ、
そして黒のニットタイ(スキニータイ)というスタイルでCOOLです。
もちろんこの映画のアニタ オディのチャーミングな容姿も鳥肌ものですが。
エリック ドルフィーはアルトサックス、バスクラリネット、フルートを
巧みに操るマルチプレイヤーです。
活躍した時期は50年代後半から62年ぐらいで1964年には亡くなってしまいました。
一般的には全く評価されない時期が続いていて、認められたのが彼の死後です。
当時、彼のスタイルが主流派とは違って、一歩先を行っていたからなんですが。
レコードでしか彼の事を知らない僕は実際は仕事が少なく、
貧しい生活が続いていたとは知りませんでした。
少しゆとりがあれば持病の糖尿病に気がついて治療をしていたかも知れません。
なんとか手助けをしたかったのですが
さすがの僕も当時6歳では彼のなんの役に立てませんでした。
他のミュージシャンのところでも書きましたが、
ジャズミュージシャンは生存していた時よりも、みんな死後に評価されることが多いです。
今ではたくさんののファンがいるのに、生前に評価されていたらと思うと悲しい限りです。
白のタブカラーシャーツに黒のニットタイのドルフィー。
50年代後半のJAZZはハードバップからだんだんとファンキージャズに人気が集まってきていて、
また一方ではオーネット コールマンを筆頭にFREE JAZZが出始めた時期でもあります。
その中でエリック ドルフィーはハードバップとフリージャズを
足して2で割ったようなスタイルと言えます。
ジャズの伝統を基本にしながら、新しいジャズを探究する姿勢が
60年に発表した初リーダーアルバム『アウトワード バウンド』で聴けます。
Outward Bound(初リーダーアルバム)
彼の吹くサックスは馬のいななきのようだと言われとても衝撃的です。
この頃はコンスタントにレコードを出したり、たくさんのアーティストの
レコーディングにも参加していて多忙な毎日でした。
彼のリーダーアルバムを買いあさり、有名なAT THE FIVE SPOTや
IN EUROPEなどたくさんのアルバムが今でも僕の愛聴盤になっています。
リーダーアルバム以外にもドルフィー好きが唸ってしまうアルバムがあります。
オリバーネルソンのブルースの真実、ケン マッキンタイヤーのルッキング アヘッド、
ジョージ ラッセルのエズセティックスなどで誰がリーダーか分からなくなるほど
ドルフィーが素晴らしいです。
オリバーネルソン ブルースの真実
ケン マッキンタイヤー ルッキング アヘッド
ジョージ ラッセル エズセティックス
アメリカではなかなか認められなかった彼はヨーロッパに
活躍の場を求めたわけですが、そのヨーロッパで亡くなってしまいました。
もし生きて活動をしていたら、きっと成功していただろうと思いながら
好きなIN EUROPEを聴いています。
(写真は全て引用)