THELONIOUS MONK
November 22,2017
THELONIOUS MONK
2017年はセロニアス モンクの生誕100年の年です。
たくさんのミュージシャンがMONKのトリュビュートアルバムを発表しています。
彼は1917年生まれで40年代後半チャーリーパーカーや
ディジーガレスピーらと共にジャズの発展に尽くして、
50年代には他のミュージシャンにも多くの影響を与えました。
僕は初めてモンクを聴いた時はピアノが上手いのか下手なのか分からず戸惑いました。
個性が強すぎて、なかなか評価されない時代が続きます。
ピアノを弾くというより、鍵盤をパーカッションのように
叩くような弾き方や予測不可能なメロディが逆に魅力的です。
エピソードも沢山あります。一番有名なのはMILESのアルバム「 BAGS GROOVE」での共演で
MILESと喧嘩(事実は諸説ありますが)してテーマ曲のBAGS GROOVEでは
MILESのソロパートになったとたんにピアノを弾かなくなるMONKが聴けます。
同じ日の録音でMILES DAVIS&MODERN JAZZ GIANTSに入っている
The Man I Love(take2)ではピアノソロを途中で止めてしまい、
ベースのパーシーヒースとドラムのケニークラークの慌てている様子(僕の想像ですが)、
マイルスが助け船を出す姿が聴けてその場の緊張感が伝わってきます。
僕が一番最初に買ったモンクのレコードはThelonious himself (RIVERSIDE)で彼のソロアルバムです。
買ってから40年ぐらい経ちましたが、今だに愛聴盤の1枚になっています。(途中CDになりましたが)
このアルバムを聴いていると、何故か時間が止まっている感じがして、安らかな気持ちになります。
MILESグループを首になったコルトレーンと半年間ライブを行い作ったアルバム、
THELONIOUS MONK with JOHN COLTRAN (この共演でコルトレーンは自らのサウンドを手に入れた)や
ジョニーグリフィンとのファイブスポットでのライブアルバムなど数多くの人気盤がありますが、
このソロアルバムでは他の人々に気兼ねしないで、自由奔放にピアノを弾きまくっているMONKがいます。
やっとこの頃から評価が高まり始めて行きます。
1964年にはTIMEの表紙まで飾っています。
かねてから奇行が目立っていましたが、晩年は躁鬱病にかかり
70年代前半には活動をやめてしまいました。
82年に脳梗塞で亡くなるまで数回しか演奏をしなかったそうですが、
彼の楽曲は今でも沢山のミュージシャンに演奏されています。
MONK's Playhouse (Various Artists)
山中 千尋
JOHN BEASLEY
(写真は全て引用)