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Chet Baker

Written by 慶伊 道彦February 04,2013

遅まきながら新年おめでとうございます。1年お付き合いの程、よろしくおねがいします。

さて、なんとなく気になるJAZZマンがいます。これからはやりの80年代な感じをだだよわせていますし。

CHET BAKER

チェットベーカー / ウエストコーストジャズ / トランペッター

1950年代、マイルスディビスと人気を2分したこともある程の実力者でしたが、身体と心の故障から一時、忘れ去られた時期がありました。
その後、支援者の助け(ディジーガレスビー)で70年代にカンバック。
僕がCHETを知ったのも70年後半です。
80年代の華やかなモダンPOPSとクラブ音楽全盛時代、それに逆行してNYイーストヴィレッジからでた新しいカルチャームーブメント。
それが、フェイクジャズやクールジャズを生み出します。そことぴったり波長があうんですよね。(ジムジャームッシュの映画 ”ストレンジャーザンパラダイス” のジョンルーリーは、きっと彼の影響をうけていたでしょうか)

彼の生き様や音楽の系譜が、まさにバブルの崩壊を予測したかのように、、、静かに流れます。
以下、死の前年に撮られた素敵な映画を紹介します。センスの美学を感じられたら、、、


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<ドキュメンタリー映画"Let's Get Lost">

ドキュメンタリー映画"Let's Get Lost"は、チェット・ベイカーという超破滅型ジャズ・マンの人生を本人の生き様を追うことで見事にさらけ出した作品でした。
タイトルの"Let's Get Lost"は、「ここから二人で逃げ出そうぜ!」といった意味らしいのですが、彼にとっての人生の目的は「すべてを失うこと」にあったのではないか?
そう思えてくるのです。
彼のサウンドが、マイルス・デイヴィス以上にクールに聞こえるのは、そんな彼の生き様のせいだったのかもしれません。

1987年彼の半生をドキュメンタリー映画として描くため、撮影が行われることになりました。
監督は、ラルフ・ローレンの広告などを担当してきたファッション・スチール・フォトグラファーのブルース・ウェーバー。
男を美しく撮ることにかけては、No.1と言われるカメラマンである彼は、ドラッグの乱用で皺だらけになってしまったチェットの顔を時には少年のように若々しく映し出してみせました。そして、そんな美しい映像とは対照的なチェットの愚かで醜い人物像を、隠すことなくさらけ出しているところもまたこの作品の見事さです。
彼のアルバム「プレイズ&シングス」の中の曲名からとられたこの映画のタイトル「Let's Get Lost」は、そんな彼の人生のテーマそのものと言って良いのかもしれません。
失っても、失っても、その失敗に懲りることなく再び過ちを繰り返す。そんなダメ男の美学がそこにはありました。

結局、チェットは、この映画の完成直後、1988年5月13日の金曜日にドイツで謎の転落死を遂げてしまいます。

「・・・彼が演奏するやり方はただひとつきりだった。多少速くなるか、ゆっくりになるか。
でもそれは常に同じ型の中にあった。
単一のエモーション、単一のスタイル、一種類のサウンド。唯一の変化は哀弱により、またテクニックの劣化によりもたらされたものだった。しかし彼のサウンドの劣化は、同時にまたサウンドを拡げ、そこに哀感という幻想を賦与していた。それは、もし彼のテクニックが、彼が自らの身に与えたダメージを乗り越えていたなら、そこになかったはずのものだった。」
ジェフ・ダイヤー(著)「バット・ビューティフル」より

以上 ==ポップの世紀==より抜粋しました

エンディングがいいですね~~トランペットとソング~~60年代な気分

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