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Dalton Trumbo

Written by 慶伊 道彦August 29,2016

台風シーズン!
直撃を受けた方々は修復作業に追われ大変な状況でしょうか。
僕が幼少の頃からズ~ット来ているわけで、当然、はるか大昔からこの時期になると
必ずやってくる魔物モンスター。シンゴジラも台風シーンには出番はないのでしょう。
ただ間違いなく、秋の出番はだんだんと近づいてきてるということです。

映画 "Trumbo"

Dalton Trumbo  /  ダルトン・トランボ /  アメリカ、映画脚本家、小説家

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映画 "トランボ" 
サブタイトルの =アメリカに最も嫌われた男= は、相変わらずのセンスない邦題ゆえ
僕としてはカット!
それにしても、この映画!なんやかやてんこもりの楽しい映画でした。
アメリカ政府の赤狩り、家族愛、素敵な脇役陣、そして非常にオシャレな主役、、、

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ダルトン・トランボという脚本家の伝記映画ですが、僕は彼を知らなかったです。
(実際、脚本家というクレジットは、普段あまり気にしませんよね)
"ローマの休日" "黒い牡牛" で、アカデミー脚本賞受賞。
他にも、"スパルタカス" "脱獄" "栄光への脱出" "パピヨン" "ダラスの熱い日"
たくさんの名作を手掛けています。

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戦後、アメリカはソ連との冷戦に入ります。その政治的思惑で"赤狩り"いわゆる
マッカーシズムがはじまり、特に顕著なのはハリウッドでの共産主義者への弾圧でした。
ダルトンは、共産党に入党(戦前、ソ連は特には問題ではなかった)していたので
非米活動委員会により、"ハリウッド・テン" 同志として映画表現の自由を奪われた。
映画は、そこからのダルトンの信念を曲げないユニークな闘いぶりを描きます。
またその間、彼をささえる家族、そして友人、B級映画製作者、、、など絡め
映画としても楽しめる仕上げとなっています。

仕事柄うれしいのは、ダルトンが非常にシャレ男であったことです。
各シーン各シーン洋服のスタイルがかわり、タイドアップスタイルが素敵でした。
(ストを支援しながら資本主義の繁栄を享受する矛盾を映画では表すためでしょう)
また時代の移りをしめすためか眼鏡がよく変わっていたのも楽しめました。
(黒セルフレのみというのが、憎い)眼鏡フェチ必見!

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カジュアルスタイルも、この通り50Sなシャツでしゃれる場面も多い
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実際、ダルトンご本人もこのようにおしゃれでした

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映画でのヒール役代表が、右派のジョン・ウェイン、ニクソン、レーガンです。
ジョンウェインの超右派は、有名なところですが、カークダグラスがリベラルで
ダルトンを助けることになるとは知りませんでした。
(息子マイケルのイメージで無関心派かと、、、笑)

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浴室でタイプライターを叩き続ける鬼気迫るシーンは圧巻
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奥さん役のダイアン・レインがいいんです。陰でささえるさりげなさで好演
いい風に年喰いました、惚れ惚れ
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出ましたよ、娘役で! 僕のみんなの、エル・ファニング!ますます惚れるやんけ。
久々に、ウウゥゥゥ~~~ン、マンダム
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B級映画の製作者フランク・キングを演じる、ジョン・グッドマン
この役者!でると映画に幅がでてきます。今回もスゴイ!自分の主義を貫く心意気!
バットで、反ダルトン委員を脅しつけるシーンは、笑えました。この俳優ならではの。
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映画にも出てくる俳優エドワード・G・ロビンソン(民主党員で、一時ダルトンを助ける)
この方、晩年(70才くらい)"シンシナティ・キッド" で、マックイーンと闘う
老練ギャンブラー役で、憎くらしい役を好演していましたね。
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最後に、トランボの幼少期の写真!
なんとまあ~~おしゃまなノーフォークジャケット!(洋服文化の違いにガクッ)
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(全て引用写真です)

と言う訳で、脚本家が映画の良さの決め手であるということを、今更ながらに知り
今後は、そこにも注意を払わなくっちゃ~と、勉強になりました。


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