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黒のニットタイ

Written by 慶伊 道彦April 12,2010

60年代、IVY全盛の頃、僕達にとって黒のニッ トタイは絶対に欠かす事が出来ないマストアイテムでした。何故か、他の色ではさまにならないのですね。色合わせをしないで、黒(もしくはチャコールグレー)で、きよく締めるのが、カッコよく、それはパンツや靴にも同様といえました。
例えば、ブラウン系のジャケッ トに合わすパンツの場合、今風に考えればベージュなど同系でですよね。靴も茶が普通です。ですが、当時はそれがすごくダサク感じられました。合わせるのは、春ですと トロのチャコールグレー、秋ですと黒のフランネル。靴ももちろん先っちょだけピカピカに磨いた黒でなくっちゃ。
そしてネクタイは、我らが黒のニッ トタイ。そこには若さの輝きがありました。
色合わせをするというのは、イタリアンコンチが流行ってからだと思いますが、僕らにとってはやはり何かオジン臭いスタイルに思えました。

先日「さよならをもう一度」を見ました。
サガンの「ブラームスはお好き」が原作です。イングリッ ドバーグマン、イヴモンタン、アンソニーパーキンスという洒落た 組み合わせです。トニパキがこれでカンヌ映画祭の主演男優賞をとった事はあまり知られてはいませんが、一年前の「サイコ」の好演を引きずるかのような、艶のある濡れた瞳の若者の演技に 引きこまれました。
トニパキもイヴモンタンもネクタイの合わせは黒。映画が白黒の時代だった事もあり、当時のオシャレさんは必ずといっていい位、ネクタイは黒が多かった様に思えます。多分顔がしまってみえるんでしょうね。
今秋は、映画でいうと白黒の時代の合わせ方が素敵に見えます。是非シャレた二人のセンスを堪能出来るこの映画を観て参考にしてください。
最近、紀ノ国屋書房からDVDになり発売になりました。

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