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Ben Shahn

Written by 慶伊 道彦February 13,2012

ベン・シャーン展==Benn Shahn:Cross Media Artist==
神奈川県立近代美術館/葉山

20世紀アメリカを代表する画家、意外にもメジャではないですが、1930~1960年代に活躍。
ニューヨークやアメリカ中西部の労働者階級の人々を直視、暮らしを写真にとり、
勿論、写真そのものも作品なのですが、それを題材に絵画に活用。

1月の雲一つ無い快晴の午前、ようやく葉山に思い立った。
(なにせ遠いですから、腰が重くなりますよね)
東横線で横浜、京急に乗り換え金沢八景、さらに乗り換え新逗子駅まで、、、
そこからバスに揺られておよそ15分、三ヶ丘バス停、そこが葉山美術館。
遠いです、それでもだんだん近づくにつれ海が見えてきて気分もリラックス。
海岸線をとことこ走って遙かな景色を見るのは久々なので、ワクワク感。

それ程の人気でもないですし遠いせいもあり入場客はまばら。これがいいですよね!
僕は、名作でも名勝地でも人混みが苦手。少し前にいった、ヒルズの歌川国芳展はずら~~っと絵の前にビッシリ人人。順々に見ると一日終わらないのでは?
(国芳浮世絵は超素敵なのですよ~)

今回わざわざ見に行ったのは、別に葉山に行きたかったのではなくて
(葉山良二くらいしかうかばない~僕の芦川いずみを奪った男)
ベンシャーンの絵というよりも写真を見たかったからです。アメリカの30~60年代の民衆の。NYのロウアイーストサイド、ジャンキーの街バワリー、ペンシルバニア、、、やはり、見て良かったですね。良い写真でした。勿論、絵画も


美術館の外庭からは太平洋を望め、運が良ければ富士山も拝めるらしい、その日は快晴ながら生憎と意地悪されましたが。
このようなこじんまりとした手作り風な美術館は気分を静めてくれますね。バス停前の雰囲気もほのぼのとして。

時は大恐慌の直後、フランクリン・ローズヴェルト大統領は農村復興を企図し、議会と世論を説得する材料として窮乏する農民の写真を収集させたのです。アメリカ南部・中西部を旅行しながら6000枚にもおよぶ農民たちの写真を撮影していくうちに、彼はこう考えるようになります。"当時私はアメリカの国内のいたるところを歩きまわり、あらゆる種類の宗教や気質をもった多くの民衆を知るようになった。こういう信仰や気質を彼らはその生活の運命に超越し、無関係にもち続けているのだった。社会的な『理論』はかかる経験の前に崩れ去った"(カタログp.57) 以後、彼は政治や具体的な事件ではなく、"人間"を描くようになります。農民、移民、貧民といった社会的にくくられた人間ではなく、どこにでもいる、あなたでもあり私でもありえるような"人間"を。寝ころぶ子どもたち、写真屋、抱擁する二人、固く握りしめた拳と腕に顔を埋め絶望する男。~~散歩の変人より~~


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皆さんはこのブログを見た頃には、もう美術展は終了していますが、名古屋、岡山と巡回して最後は、6月3日から福島県立美術館にて。”第五福竜丸”を題材にした絵画も数多く描いており、福島原発事故被災地との不思議な縁を感じます。是非!是非!

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