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TREND '13

Written by 慶伊 道彦February 25,2013

この春のメンズトレンド

Men’sトレンドチェックの恒例となるPITTI情報によると、今秋は、チェックジャケット(スーツ仕立ても)が、一押しとか。
結構大ぶりでハデな柄、色が、めだちます。
それに合わせるシャツやタイも、無地とかではなくチェックやマルチストライプの合わせ技。
ネクタイは、ビッグパターンやペーズリーといったところ。

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きっと、今まで続いたシンプルでミニマムなスタイル、グレースーツに白シャーツ、グレーの無地タイ。(同じくネイビーバージョンも)
この反動でしょうか?

しかし、しかし、しかし、僕はちょっとちょっとちょっと待ってよと言いたいねん。

確かにトレンドとしては、チェックは把握しておきたいですし、週末スタイルとしては良いかとは思います。しかし、シティスタイル中心の貴方には、無地、無地、無地、でしょう!

アメリカGQも先月号で、同様な事を謳っています。
Stay ( All The Way Solid )  / 無地でいこう!
例えば、写真のようにペールグレースーツにピンクシャーツに無地タイ。
昨年と違うのは、グレー×グレーのモノトーンで合わせるのではなく、(僕は意外と大好き)
Vゾーンにピンクやグリーン、ブルーなどの差し色を持ってくるとか、、、。
いかがでしょう、艶がでまっせ!勿論、白やライトブルーのシャーツは完璧OK!

また、スリーピースをアンサンブルと考えればいかがでしょう。
女性が知的にみえるというシャネルスーツやカーディガン+ニットスカートと同じと考えれば、スーツを既存とは一新してアンサンブルと考えて着こなすことも浮かんできます。
男のスーツスタイルにもまだまだまだまだまだまだ可能性があるということでしょう。

今年は、チェックは隠し味に使い、スーツをスーパーシャープで知的に
きめきめきめきめきめしましょう!


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NICK WATERHOUSE

Written by 慶伊 道彦February 18,2013

新年に聴きに行った、音楽シーンから

BLUE NOTE TOKYO
NICK WATERHOUSE  / ”NEO VINTAGE SOUL”

ブルーノートに久々にいってまいりました。チョット気になってる若者のライブがありましたので。まだまだ知名度も低いし、ジャンル的にも難しい位置なのか、客席は6分の入りか。


エイミーワインハウスの登場によって、広く世にしられるようになったネオヴィンテージソウル シーン。
その流れを引き継ぐ注目株がニックウォーターハウスだ。
彼を語る上でまず、そのマニアックな音楽性やルックスにも関わらず、現在26才という若さに驚かされる。高校時代に組んでいたモッズバンドの解散後、大学に通うためサンフランシスコに引っ越した彼は、ローカルの小さなレコードショップで働くことになる。そこで彼は様々な50、60年代のR&B、ソウルの7インチシングルに出会い、それが彼の音楽的な方向性を決定付けた。たった1枚のシングルのみで終わったような無名なアーティストの作品までが彼に大きな刺激を与え、この世界へ強く引き込まれていくことになる。

磁気テープを使ってレコーディングを行い、さらにビーチボーイズが実際に使用していた機材を使って音源のマスターが作られた。その結果生み出されたアナログならではの暖かみあるサウンドこそが彼の大きな魅力であり、その異常なまでのこだわりが彼のアーティストとしての強いアイディンティティになっている。 ==音楽ライター/大前至== より抜粋

専門家の説明を記したのは、レトロヴィンテージソウルとはなにもんだ?という、説明が
僕には、やや難しかったからです。
とはいえ、僕が見に行った理由は、上記の事ばかりではなく、彼のステージの服装や雰囲気が見たかったからです。オタクぶりを。

ブルックスのアンティークスーツ?と思われる、グレーのTRADスーツに白のボタンダウンシャーツ。
ネクタイを締めていなかったのが残念でしたが、7/3に分けたヘヤースタイルといい写真の通りの実に普通なヤングガイな雰囲気。
音楽は、ちょっと、マッドでレトロなロックンロールといった感じを彷彿させました。トラッドなラインとはいえ、フォークではなくガレージロックといった趣。

映画”ゴーストワールド”にでてくるスティーブブシュミが演じるヴィンテージコレクターみたいな男はアメリカには、意外といっぱいいるのでしょうかね。彼の音楽には、テクニックレベルを越えたオタク仲間の代表スターという雰囲気がありましたよ。Uチューブで!


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SOUTIEN COLLAR COAT

Written by 慶伊 道彦February 12,2013

ステンカラーコート 

女性には馴染みの少ないコートスタイルですが、メンズスタイルの代表的なコートです。
簡単にその特徴を説明しておきますが、掘り下げ興味君には、雑誌"FREE & EASY"3月号に詳しく取り上げられていますから、そちらも是非!

昔は、レインコートといえばまずこのコートに近い形。ダスターコートとも呼ばれることも。
特徴である後ろ襟が高く、前が低く折り返してある形からスタンドカラーともよばれました。
雨、風、埃ect、防ぐビジネスマンの必殺スタイルでもあります。
コットンギャバジン地で多少クシャとしても様になるところが便利ですしね。
ラグランスリープ、フライフロント、バルカラー、が特徴のキーワードです。
50年代では、NY的ビジネスマンのシンボリックなスタイルでした。とにかく都会を感じます。

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このコートのライバルというか対極にあるのは、トレンチコート。タフで男らしいスタイルには欠かせません。ここ5年ほどは、トレンチコートが男女ともに席巻していました。

僕が、ステンカラーコートに目覚めたのは、大学生時代。それまでのレインコートと違い、
第一ボタンまで折り返しのなく襟幅の広いNEWコートに!びっくり!ビックリ!BIKKURI! その後長らくお世話になりました。

それからうん十年、一昨年見た映画”17才の肖像”で、共演のピーターサースガードが
役柄上していたスタイル。フェルトハットにステンカラーコート!これがいいんですよね~~
(なんといっても、2周り年下の17才を落とそうと企む詐欺師ですから見せかけスタイルは大一級です。キャリーマリガンもきっちりオトされましたよ、笑)
ちょうどその頃、僕はトレンチコートにもやや飽きがきていた頃(本来あまり僕には似合わないしネ)でしたが、この映画のステンカラーコートがスゴク新鮮に映りました。なんて言うんですかね~都会とか知性とかをかんじるのですよね。(サギ師とはいえ、、、)
早速、家に帰り昔のコートをのぞくのですが、丈が長いのです、、、ちょっと古くさいんです。なんと1着だけ、7年ほど前の試作品が、ピッタリカッキリ。
そこで手持ちの古いコートも、丈をつめて愛用。

都会の哀愁、普通なのに知的に見せる、とにかく同伴女性のスタイルをたてる(地味なコットンコートだから)、、、、良いことづくめのコートがカンバック

今風に着るには、サイズ感覚が大切です。ラグランスリーブでなくてはいけません!そして、肩がスーツにピッタリ吸い付くくらいのタイトな幅(もちろんちょっと大きいくらいはOK)、丈は、絶対に膝が出る長さに、但しあまりに短いのもあんちゃんくさくなるので敬遠。
そして、ちょっとだけ、”A”ラインシルエット。 
なんと言っても”知性”を感じさせなくっちゃネ。そこで、分からないときには映画で学ぶのが一番。  ということで、

まずは、”17才の肖像”で、エセなリッチマンを装い。

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次に、本命 スティーブマックイーン ”ブリット” ”マンハッタン物語”で、普通なカッコなのに男ブリを。

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そして、ジョージペパード ”ティファニーの朝食を”で NYの都会暮らしな男ブリを。

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最後は、大御所 ケーリーグラント ”シャレード”で ヘップバーンファッションを引き立てる
賢い男ブリでエスコートを。

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勿論、ビジネスマンの必殺コートですから沢山の男が着てるわけですし、そういったドブネズミからどうやって違いを見せるかと言いますと。
やはり自分を磨くことでしょうか? なんていいますと、いけませんね~~
コットンギャバのラグランスリーブでなければいけないと言いましたよね。もう一つ今風に見せるには、きちっと崩さないで正統派で着ることです。襟を立てたり、前ボタンを開けたりして着ないこと。勿論、胸を張ったVゾーンからは白いシャーツに素敵なタイのノット!
そしてそして、気分は都会派だ! これが決め手!

Chet Baker

Written by 慶伊 道彦February 04,2013

遅まきながら新年おめでとうございます。1年お付き合いの程、よろしくおねがいします。

さて、なんとなく気になるJAZZマンがいます。これからはやりの80年代な感じをだだよわせていますし。

CHET BAKER

チェットベーカー / ウエストコーストジャズ / トランペッター

1950年代、マイルスディビスと人気を2分したこともある程の実力者でしたが、身体と心の故障から一時、忘れ去られた時期がありました。
その後、支援者の助け(ディジーガレスビー)で70年代にカンバック。
僕がCHETを知ったのも70年後半です。
80年代の華やかなモダンPOPSとクラブ音楽全盛時代、それに逆行してNYイーストヴィレッジからでた新しいカルチャームーブメント。
それが、フェイクジャズやクールジャズを生み出します。そことぴったり波長があうんですよね。(ジムジャームッシュの映画 ”ストレンジャーザンパラダイス” のジョンルーリーは、きっと彼の影響をうけていたでしょうか)

彼の生き様や音楽の系譜が、まさにバブルの崩壊を予測したかのように、、、静かに流れます。
以下、死の前年に撮られた素敵な映画を紹介します。センスの美学を感じられたら、、、


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<ドキュメンタリー映画"Let's Get Lost">

ドキュメンタリー映画"Let's Get Lost"は、チェット・ベイカーという超破滅型ジャズ・マンの人生を本人の生き様を追うことで見事にさらけ出した作品でした。
タイトルの"Let's Get Lost"は、「ここから二人で逃げ出そうぜ!」といった意味らしいのですが、彼にとっての人生の目的は「すべてを失うこと」にあったのではないか?
そう思えてくるのです。
彼のサウンドが、マイルス・デイヴィス以上にクールに聞こえるのは、そんな彼の生き様のせいだったのかもしれません。

1987年彼の半生をドキュメンタリー映画として描くため、撮影が行われることになりました。
監督は、ラルフ・ローレンの広告などを担当してきたファッション・スチール・フォトグラファーのブルース・ウェーバー。
男を美しく撮ることにかけては、No.1と言われるカメラマンである彼は、ドラッグの乱用で皺だらけになってしまったチェットの顔を時には少年のように若々しく映し出してみせました。そして、そんな美しい映像とは対照的なチェットの愚かで醜い人物像を、隠すことなくさらけ出しているところもまたこの作品の見事さです。
彼のアルバム「プレイズ&シングス」の中の曲名からとられたこの映画のタイトル「Let's Get Lost」は、そんな彼の人生のテーマそのものと言って良いのかもしれません。
失っても、失っても、その失敗に懲りることなく再び過ちを繰り返す。そんなダメ男の美学がそこにはありました。

結局、チェットは、この映画の完成直後、1988年5月13日の金曜日にドイツで謎の転落死を遂げてしまいます。

「・・・彼が演奏するやり方はただひとつきりだった。多少速くなるか、ゆっくりになるか。
でもそれは常に同じ型の中にあった。
単一のエモーション、単一のスタイル、一種類のサウンド。唯一の変化は哀弱により、またテクニックの劣化によりもたらされたものだった。しかし彼のサウンドの劣化は、同時にまたサウンドを拡げ、そこに哀感という幻想を賦与していた。それは、もし彼のテクニックが、彼が自らの身に与えたダメージを乗り越えていたなら、そこになかったはずのものだった。」
ジェフ・ダイヤー(著)「バット・ビューティフル」より

以上 ==ポップの世紀==より抜粋しました

エンディングがいいですね~~トランペットとソング~~60年代な気分

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中野 香織

エッセイスト/服飾史家/
明治大学特任教授

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”盆栽自転車” 代表

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”テーラーCAID” 代表

伊知地 伸夫

”FAIRFAX” TRAD部門ディレクター

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”FAIRFAX” 代表取締役

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