Bill Cunnigham
June 10,2013
映画 ” Bill Cunnigham & New York ” そろそろ、公開終了になるので、先週末、慌てて見に行ってきました。無理に時間を作って見に行って良かったです。この映画と主人公の説明は、公式映画サイトのお世話になりますが、強烈な個性をもった写真家の考え方や自転車での行動力、そしてチラチラと見えるニューヨークの風景。満足した映画でした。
(公式サイトの説明があまりにわかりやすいので、そのままいただきました。)
交渉8年、撮影・編集に2年。10年がかりで完成したドキュメンタリー
ニューヨーク・タイムズ紙の人気ファッション・コラム「ON THE STREET」と社交コラム
「EVENING HOURS」を長年担当するニューヨークの名物フォトグラファー、
ビル・カニンガム。ニューヨークの街角で50年以上にもわたりファッショントレンドを
撮影してきたニューヨークを代表するファッション・フォトグラファーであり、
ストリートファッション・スナップの元祖的存在だ。
しかし、彼自身については謎につつまれており、親しい業界人でさえ彼のプライベートを知る者はほとんどいない。
そんなカニンガムにリチャード・プレス監督が8年がかりで撮影交渉し、撮影と編集に2年、通年10年の制作期間を経て完成した本作で、カニンガムの知られざる私生活や仕事ぶりが初めて明かされた。
青い作業着がユニフォーム
雨の日も風の日もニューヨークのストリートに自転車で繰り出してはファッションスナップを撮り続け、夜になればチャリティーパーティーや社交界のイベントに出かけて行き、ときにはパリのファッション・ウィークにも遠征し撮影する。
その鋭いセンスと独自の着眼点が、世界中のファッション・ピープルから注目され、
84歳の現在でも現役ファッション・フォトグラファーとして多大な影響を与え続けている存在だ。
しかしビル自身はいつもお決まりのブルーの作業着姿で、雨の日にかぶる安物のポンチョはやがて破れてしまうからと、新調することもなくテープで修繕して着続けている。
コーヒーは安ければ安いほど美味しいと言い、
ニューヨーク・タイムズ紙の写真家としての客観的な立場を保つために、パーティー会場では水一杯すら口にしない。
50年以上暮らしていたカーネギーホールの上のスタジオアパートの小さな部屋は、
今まで撮影した全ネガフィルムが入ったキャビネットで埋め尽くされていて、
簡易ベッドが置いてあるのみ。キッチンもクローゼットさえもない。仕事以外のことには全く無頓着で、頭の中はいつもファッションのことだけでいっぱいといったような質素な生活ぶりなのである。
==監督、リチャード.プレスの談話より抜粋==
ビル・カニンガム&ニューヨーク』の制作期間を尋ねられると、私は10年と答えます。
それはビルを説得するのに8年! 撮影と編集に2年かかったということです。
ビルを撮影するということはそれだけの時間がかかり、そんなビルだからこそ映画の被写体としてこれほどまでに興味深い人物であるということにほかなりません。
私のビルへの強い関心は、彼の仕事に対してだけではありませんでした。一人の人間としてのビル、彼がどのように自身の生き方を決めてきたのか、そして彼の宗教的なほどに献身的な仕事ぶりにありました。
しかし、何年来もの知人でさえ彼自身の私生活についてまったく知らないような人物の映画を、どのようにして作ればいいのか?
編集室で、私はドキュメンタリー映画ではなく、むしろフィクション映画のようなアプローチでこの映画を組み立てていきました。とても力のある主人公と、彼をとり巻く風変わりな多種多様なキャラクター達を配し,同時にゆっくりと展開する物語性も含ませることによって、
それらが合体したときに、あるポートレートが浮かびあがり、次第に焦点が合うようにしたのです。
それはまるで、コラージュすることによって、さらに大きなものを作りあげていくビルのニューヨーク・タイムズ紙のコラムのようでもあります。
ビルの生活に関する事実の羅列は、彼の生活の輪郭を知るという意味しか私にはありませんでした。それは彼自身を決して表してはいません。私は彼の伝記映画を作りたいわけではないのです。
喜びといった、もっと実体がなく、目には見えないもの(決して力が弱いという意味ではありません)を捕えたかったのです。それはビルの本質でもあります。
ビルはユニークで個性的なものを記録することに人生を費やしています。私はこの映画を、ビルのポートレート、さらにその延長線上にあるビルが愛する街ニューヨークのポートレートにとどまらず、自己表現と自己発案への賛辞にしたかったのです。
ビルカニンガム”語録”がまたいいんですね~~ぶれない頑固さとそぎ落とした考え方や言葉! 写真で紹介しますが、他にも沢山見たい方は公式サイトの”語録”にお招きいたしましょう!
映画”グランドマスター” ウォンカーウァイ監督、トニーレオン主演のカンフー映画。
これを見た後の感想は、日本の映画は、黑澤以降、まったく大人の娯楽に耐えられる映画がなくなったなあ~~と言う気持ち。実際、今年もカンヌで監督賞をいただいた作品もあるしある意味、優秀じゃん!という答えもあるでしょうが。どうも20本に1本くらいあればほどいい佳作狙いばかりという気がします。昨今の日本映画というと、タケシ風とか血みどろ&ホラーもの&傷つく青春もの。見たいと思わないのは僕だけでしょうかね?
トニーレオンは、往年の健さんみたいでカッコイイです。ウォンカーウァイ監督の演出や映像も王道をいっていて、気分がいいです。時代も1920~50年代ですから、男も凜々しくて、子供の頃にみた東映映画を思い出しました。
黑澤は勿論ですが、小津の生誕110年という年でもありますし、今の映画じゃしょうがないから二人をまとめて見直してみませんか!
(以上、引用写真です)