FRANKY SAKAI
April 11,2016
フランキー堺
昭和を代表するコメディアンの一人、僕の好きなテーストでもあります。
急に彼を思い出したのは、向田邦子さんの文庫を久々によみ(彼女の文、好きです)
代表作の映画化 "あ・うん" を、TUTAYAで借りたからです。
"あ・うん" は、このNHK版の他、高倉健主演の映画版、あとTBS版もあったようですが。
でも、NHK版がよかったのは、フランキー堺の演じる仙吉が秀逸でしたからです。
もう、最高な昭和ダメ男を演じていましたね。
元々、進駐軍相手のドラマーでしたから、当時としてはモダンで(慶大卒)リズム感があり、
なおかつハチャメチャなナンセンスアドリブっぽいせりふや表情に、
僕の子供時代でしたが大好きでした。(クレージーキャッツも同じ経由ですね)
なんとなく、外人かな?と、子供の頃は思っていたほどです。あの、軽快な怪人顔に!
森繁久彌と組む、"駅前シリーズ" "社長シリーズ" それから、"喜劇 旅行シリーズ"
脇を固める、三木のりへい、伴淳三郎、加東大介、小林桂樹、山茶花究、、、
女優陣も華やか!淡島千景、池内淳子、新珠三千代、、、
いや~ハチャメチャに楽しくさせてくれた、まったくだ!な、ふざけた映画でした。
フランキー堺はシリアスな映画にも挑戦!
"幕末太陽傳" では、主役の石原裕次郎を喰ってしまいました。(あのキャラには勝てません)
"私は貝になりたい" では、戦前のどこにでもいる普通な善人を好演。
この芸風で肩を並べれるのは、渥美清くらいでしょうか。
2作品とも、優れた映画の列にはいるでしょうね。
向田邦子 / 脚本家 小説家
飛行機嫌いであったというのに、取材のための台湾行きフライトが墜落死亡。
常々、旅行前に片づけるとあの世に行くみたい、だから部屋は普段通り残されたままだったとか。
僕にとって、向田邦子は村上春樹と同列に位置する好きなタイプな方です。
あの普通っぽい語り文にはまると、一気読み!読後感がすがすがしく気分いいです。
"昭和"な家族を書く初エッセー "父の詫び状"、ふんどし、大酒のみ、癇癪玉、照れ症、、、
また不倫、愛人の話を書いてもどこか温かい思いやりというか、理解を示すというか
このあたりのコツは、他の男の小説家も女の小説家も書けない雰囲気を感じさせます。
眠る盃、男どき女どき、冬の運動会、無名仮名人名簿、、、なんとまあ~おしゃれな皮肉や例え話!
人間の弱さ、狡さ、後ろめたさ、愛しさ、不器用さ、傲慢さ、、、
平凡な人生の中にもある、なにか暖か味を見出す方です。
脚本家ですから、彼女脚本のTVドラマが楽しくないわけがありません。
時間ですよ、寺内貫太郎一家、だいこんの花、、、
結構、ここからスターダムにのる俳優さんも多かったですよね。
いしだあゆみが一番かわゆかったころでもありますかね。
"う" うまいものの "う" の引き出し
確か "暮らしの楽しみ" に出てたかと思いますが、僕もならって引き出しに "う" と書いて、
気になるおいしい店の切り抜きを後日の為に放り込んでいました。
好きな文章の中に、このような言葉が!いいですね~~
"万年筆ーー新品ではなく、人が使いこんでいるもの" の方が、私は好き
"あ・うん"
向田作品常連の杉浦直樹とフランキー堺、この二人の掛け合わせが本当にいいんです。
友人の女房に思いをはせる少しだけスケベな男心は、向田ならではのギリギリ感覚でしょうか。
健さん映画の "あ・うん" は、やはり、看板大俳優ですから、友人の妻への控えめな恋として
美しくみせてますが、致し方ないでしょう。人妻役が富司純子ですからね~当然でしょう。
そうなるとやはり美しいドラマとなり、健さんファンのための映画となっています。
比較:TVドラマーーーーーー映画
仙吉 フランキー堺 --- 板東英二
妻 吉村実子 --- 富司純子
修造 杉浦直樹 --- 高倉健
(全て引用写真です)