Le Samourai #2
February 13,2017
"サムライ" フィルムノワール 1967年
監督/ジャン=ピエール・メルヴィル
"サムライ" "仁義" "リスボン特急" 3部作
主演/アラン・ドロン
アランドロンが自分の演じた作品の中で、自身、最も好きだと言った映画 "サムライ"
この映画は、その後、数々のヤクザ(マフィア)映画に影響を与える。
僕ら世代にも、喝采をうけた名作!カッコよくかつワクワクさせる映画。
ファーストシーンが、またいいんですよ。
小鳥の鳴き声だけが聞こえる暗い部屋、家具がなくがらんとした無機質感がいい。
そして、たばこの煙がベットからたちのぼり、ゆっくりアランドロンが起き上がる。
この映画では、男の所作が素晴らしい!現代では無用というか忘れ去られた作法。
なかでも帽子に関する動きが素敵なのです。昨今、帽子流行りで、多くの方が愛用して
いただくのは、僕としてはうれしい限り。しかししかし、作法というものがないです。
例えは悪いが、寿司屋さんで外人(今では詳しい人も多い)が、寿司三昧する光景。
映像ショット写真なので、詳しくは、わからないとは思いますが、ドロンの
一連の動作のカッコよさを!(一度、もしくはもう一度、映画を見てくださいませ)
この写真からお分かりのように、帽子は、ひっくり返して置きます。
(理由その他は、拙者の以前のブログ "ハットマナー" より~~)
そして、帽子は小鳥を包むが如くブリムをつかむ!(トップの窪みではなく)
ブリムとは、"ツバ"と平常言ってますよね。
この様にブリムをなぞる感じは、男にしか味わえない感覚
映画では、ドロンの鏡を見るシーンが多いですが、男の所作の確認という感じ
まさに、身だしなみ!
外には、七人の敵あり!と、普段から注意しておくべし!
(引用写真です)
クローク嬢の仕草も同様で、決してブリム以外は触りません
そして、帽子の中に手で支えて、ハット持ち運ぶのです。
渡す際は、両手でブリムを包み手渡す。
この作法をしないレストランは、ミシュラン星とはいいまへんでえ~~笑
今回の役どころは、ニヒルな(武士道仕様?)殺し屋。ですから、服装もシンプル。
黒白の世界。白シャツは、なぜかボタンダウン!当時、フランスでもIVYの影響が
あったのでしょう、フレンチIVYな味がフィルムノワール映画には感じられます。
(カラーなのに白黒な味わいが、全編で感じられます)
ダークスーツに、白シャツ、ブラックタイ、グレーのフェドラーHAT、
パリの風景もいいんです、これが!
地下鉄構内の1シーン!
このシーンもきれいです。ドロンがトレンチコートを粋に着こなし陸橋を歩く
傷ついたドロンがアパートに戻る、トレンチコートのボタンとベルトを外す。
かっこいいの一言!
(引用写真)
トレンチが傷ついたので、コートに着替えるのですが、これも実に様になっています。
グレーのフェドラーHATが、またいいんですよ。(映画"ボルサリーノ"よりはいい)
(引用写真)
映画では、フレンチ様式なおしゃれを感じるシーンもたくさんありますが、
例えば、シトロエンなどの60'CAR、インテリア、古い街並み、地下鉄、、、
電話機もその一つの小道具。携帯の時代、普段みない電話機に眼がいきます。
いや~~シブイ電話機でんな~~
(引用写真表示以外は、DVDより写メ)
とに角、こんな感じで僕は、お正月早々3度もこの映画をみちゃいました。
淀川長治さんの "セリフ" が、浮かびます。映画って、いいですね~~いいですね~~