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スーツの袖口からシャツをのぞかせる理由(読者のみなさまからのご意見)

Written by 中野 香織August 15,2015

先日公開しました「スーツの袖口からシャツをのぞかせる理由」の記事につき、さっそく読者の方々からたくさんのご意見・ご感想が届きました。
なんとありがたいことでしょうか。

そのなかからおひとかた、かいしんさまのコメントを、ご本人の了解を得て、紹介させていただきます。

★★★★★

「スーツの袖口からシャツをのぞかせる理由」はと問われれば、
私は、大切なスーツの袖口を自分の汗や皮脂から守るため、
そして、そのようにしたほうが美しいからだと答えます。

 上着であるスーツが肌に触れて汚れるのを防ぐ、それが、下着である
ドレスシャツの役割の一つだと考えております。
 しかし、もちろんそれだけではありません。白しか着ないのも、
弔事用以外のものはすべてダブルカフスにしているのも、
細い糸を使用した光沢のある生地を選ぶのも、
そして、離れたところからでも見ていただけるように出しているのも、
美しさを際立たせるために他なりません。

★★★★★

そのほかのご意見の大半も、

「カフスを出すのも、襟を出すのも、スーツを守るためだと思っていた」というものでした。

現代において日常的にスーツを着る方の感覚では、それが自然で合理的なのですよね。

かつては、「汚れる心配がないから(=手元を汚すような仕事をする必要がないので)高価な白いリネンをふんだんにのぞかせてます」という階級(ないし富)のアピールのためにつけられた袖口のリストラフやフリルやカフス。
現在は「スーツを守るべく毎日汚れますが、汚れても常に白さを維持できる財力と美意識があります」と暗に語る部分へとスライドしたと見るべきでしょうか。カントリーウォッシング(水のきれいなカントリーで洗濯をする)を提唱したブランメルの頃から、この発想はすでにあったわけですが。

ただ、「スーツを守るため」とはっきりと公言されたのは、スーパーストレッチウォッシャブルスーツの説明を聞いたときが初めてでしたので、驚いた次第でした。

さまざまなご意見・ご感想を伺いながら考えを修正していけるというのはウェブならではの醍醐味ですね。
ありがとうございました。





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中野 香織

エッセイスト/服飾史家/
明治大学特任教授

吉田 秀夫

”盆栽自転車” 代表

長谷川 裕也

"BOOT BLACK JAPAN" 代表

山本 祐平

”テーラーCAID” 代表

伊知地 伸夫

”FAIRFAX” TRAD部門ディレクター

慶伊 道彦

”FAIRFAX” 代表取締役

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