Written by 慶伊 道彦September 14,2007
グレーコーディネイトのすすめ。第2弾
前回は次の流行色といわれる茶をどう扱うかという事についてお話しました。結論はグレーを中心に組み合わせする方がもっとも今年らしい装い方であると云いました。
写真は80年代のラルフローレン風スーツ やや広めのラベル幅がそれっぽさを表しています。生地は、カシミヤ入りのグレーヘリンボーン。3つボタン段がえり、センターベンツ、パッチ&フラップのスリーピーススーツ。
シャーツは白地にグレーのロンドンストライプ、タブカラー。
ネクタイは黒ベースのサイコバニー・クレスト。
もう一つは、グレーフランネルのスリーピース。フランネルは、これから来るのではないかと考えられるNEW素材。
スタイルは、60年代007をベースに今風にアレンジ。細身のラペル幅、軽いスラントポケット。DRAKE‘Sのミニ千鳥格子タイ。
2点の写真ともに、グレーの組み合せです。流行を追いかけていると感じられない落ち着いたシックなスタイルです。
この様に、グレーのスーツ、白場のシャーツ、黒(紺、グレー)のタイ、白のポケットチーフ、という具合に同系統の色でまとめると今日的なオールドスタイルの出来上り!
On The Road
Fairfaxのショールームをショップに改装いたしました。
ショップ名は〝On The Road〝
そのコンセプトは前回の欄で説明させていただきましたが。
今秋は、タウンで着るフォーマルスタイルをテーマにしました。
これから、順次商品紹介などこのブログ欄やショップ欄でしてまいりますので、よろしくお願いします。
Written by 慶伊 道彦September 07,2007
オンザロード“路上”
50年代に出版されると同時に「ビート・ジェネレーション」の聖書とまで世界的にその名を知られた“路上”はジャック・ケルアックJack Kerouacの代表作で、大戦後のアメリカ青年たちの精神的風土を舞台として、新鮮な感性と激しい苦悩を克明に描いた一大青春小説です。ケルアックの自伝的内容を反映したもので、登場人物にはその後のアメリカンカルチャーに多大な影響を及ぼした大物たちが沢山登場します。アレン・ギンズバーグ Allen Ginsberg、ウイリアム・バロウズWilliam Burroughs、、、その後の多くのアーティストにも影響を与えました。Dennis Hopper, Patti Smith, Lou Reed, Philip Glass, Cecil Taylor, Norman Mailer, Bob Dylan,禅Zen。
イタリア発のクラセコルックももう10年。そろそろ倦怠感が漂いだしてきました。だいたいにおいてファッションなるものは成熟して完成度が高まってくると急にダウンするものです。その後には、急進的な若者文化発の新しいモードが少しづつ大人文化にも感化してくるわけです。
先に“路上”と言う言葉を出したのは、別に哲学的な話をしたかったわけでもなく、ヒッピー文化を語りたかったわけでもありません。あくまで、ファッションとしてとらえたアメリカ50年代の青春をとらえたかったからです。“逃亡者”デビットジャンセン、“ルート66”、“避暑地の出来事”トロイドナヒュ、“顔役時代”トニーカーティス、、、。
50年代は今トム・ブラウンで話題になっているブルックスブラザーズのかっての全盛時代でした。そこで修行をしたラルフローレンは、その後ワイド・タイでデビュー。独立後は世界的大御所にまでなっている事は皆さんご存知の通りです。
これからFAIRFAX流ではありますが、50年代~60年代のアメリカに影響されるメンズファッションを語ってまいります。半年かけて、弊社もそういった文化を発信できるSHOP造りをしていきたいと思います。
Written by 慶伊 道彦September 04,2007
少しずつ雲の形などから秋の気配を感じ、Yシャツ姿では今ひとつ締まりがなくなってまいりました。
そこで今回は秋の装い方から一つヒントを。
果たして雑誌が盛んに取り上げる〝茶の時代〝は来ているのか。
結論から云いますと、YESでもありNOでもあります。
茶の上下スーツですとあまりにも茶の占める面積が多く、やはり時代のニート感に欠けます。又、茶色は年代相応の紳士が着ると勿論落ち着いた感じは出せるのですが、〝嵌まり過ぎ〝で老けて見える危険があります。なんとか30代の若者が着れば、バランス良く若さが出せる色です。
そういった理由もありますが、茶のスーツ(あるいはベージュ)はむしろ来春にこそ復活にふさわしいと言えます。春にはブラウンという違和感が新しいタッチだからです。
そこで、茶のスーツを来春まで諦めるとして、どうやって茶の時代をとらえるのかを提案致します。
A:昨年からトレンドカラーとして台頭してきたグレーは、今秋も勿論4番バッターの地位です。グレーのジャケット、グレーのパンツ、グレーのタイと、白いシャーツ、白いポケットチーフ以外は、グレーでの組み合わせがいまの気分です。
トレンドとして茶を取り入れる場合は、まず靴やカバン、次にネクタイ、チーフなどのアクセサリーに留めるに限ります。
グレーとブラウンの面積が程良いバランスを生みます。
B:写真のようにヘビーなツィードジャケットはシーズン的にはまだ早いのですが、手持ちのグレーのスーツの上衣だけを生かして着て、パンツには茶系や白のコットンパンツを持ってくるのも妙味あります。ニートな味が出せます。
写真は、茶のプリントパンツ、茶のリネン無地タイ(秋にリネン、春にウールという様に、シーズンに反するのもなかなかな味が出せます。)
茶のスエードシューズ。ポケットチーフは茶系のシルクマダープリント。
結論から云いますと、ブラウンは見せるバランス(面積)がポイントになります。
20%くらいがオシャレですが、せいぜい40%を超えないようにしたいです。
Written by 慶伊 道彦August 04,2007
閑話2: 風に吹かれたネクタイの話。最近のトレンドで、タイピンがあります。すごく硬直的なLOOKを作ることが出来ますが。でも、風に吹かれません!?ネクタイの魅力の一つに風に揺られる楽しみがあります。女性だと、髪形とかスカーフなどがそれに当たりますが男性にはネクタイしかありません。(ロンゲの男性は論外) 折角の楽しみをタイピンが奪ってしまうのでもったいないです。男性のスーツLOOKを決まりきった堅苦しいスタイルに限定する必要はありませんね。着崩れた馴染のスーツの一番下のボタンだけをとめて懐にリラックス感をだし、時にはネクタイが風に吹かれてスーツの肩に乗っかるなんていうのが、男の楽しみでもあります。同様なことがネクタイそのものにもあります。やたら重たいネクタイ!?程度の問題は勿論ありますが、僕は軽いネクタイが好きです。なぜなら、風に吹かれるからです。心地よい!ですからマニアご用達の5つ折り7つ折りなどという代物は好みません。重すぎます。その昔、時代がユックリしていた頃はプリントの生地を1年寝かしてからネクタイにしたものです。シルクは空気を吸ってしっとりと重くなるからです。その時代のシルクを芯地なしで作れれば最高の重くても風に吹かれるネクタイが出来るでしょうね。残念ながら、今の時代ではあまりに贅沢すぎます。ですから、程よい作りのネクタイを風に揺れる気分で巻きましょう。
Written by 慶伊 道彦August 03,2007
今回は、服装にまったく関係ないようなチップの話。想像してみてください、すごく素適なイングリッシュスタイル(今風だとクラセコというのかな)の若いジェントルマンがお勘定では、しっかり1円まで計算して無駄のないように支払いしていくシーンは、あまりカッコいいシーンではないですよね。オシャレなヤングジェントルマンのシーンだから余計です。それより、ちょっとボケをかまして、小銭を残していく少しだけプゥアな老紳士のほうが何倍か良いシーンになると思いませんか?あなたが監督だと。(判らない若者は来週から上映されます”ブコゥースキー”の自伝?映画でもみて、勉強してください。昔話で恐縮ですが、40年位前までは、日本でもチップは常識でした。お金持ちだけというのではなく、冠婚葬祭などの時にはかかわった人々に振る舞いをするのが感謝の気持ちでした。なにかと、請求書どおりに支払い(あるいはベストに値切り)それがスマートだし、自分に都合がいいという考え方は、極々最近の考え方です。当然それだから海外ではもてないですよね?女性だけではなく魅力という意味で。(仕事で行っている戦士はがんばっているので、別ですよ) チップを気持ちをこめて払えない人にオシャレを語る意味はないです(無駄の美学)。チップは、むしろ無駄ではなく、実際もらった学生は(例えば)そのお金だけは、娯楽に使って日頃のストレスをカバーできるわけです。池波正太郎がよく言ってますが、タクシーに乗ってお釣りをもらわないででるのは、次のお客さんを気持ちよく迎えて欲しいからという、ほんの小さい気持ちからやってると書いています。アメリカ人は混血民族だからとか理屈で考えないで、まずはオシャレを目指す諸君!チップに、心意気、無駄の美学、あるいは心配り、なんでもいいから兎に角TRYしようではないですか。カッコいい仕草の為に!そのうちに本物になります。(PS)コンビニの寄付金入れBOXにお釣りを入れている人に美学を感じます。取り敢えずは。=閑話=
Written by 慶伊 道彦July 21,2007
なかなか気象庁のいうような猛暑はやってきませんが、クールビズは昨年よりは静かに進行中といった所ですね。さて、ネクタイのもう一つの役割など話してみます。
イチロー:全米オールスターの活躍は大興奮させていただきましたが、話はセレモニーの時の服装。イチローは表彰式で、なんと白のスキニータイ+白いシャツを着ていました。野球が終わったあと直ぐの状況で、このスタイルに決めるというのはやはり只者ではないですね。(ジーンズにスニーカーというのも今っぽくてカッコよかったです) 一本の白いネクタイがセレモニーへの彼の気持ちが出ているシーンでした。日本のプロスポーツマンにも学んでいただきたい所です。
自信あるスタイルとは:だいたいにとっかえひっかえ洋服を替える男性にオシャレな人はいないです。気に入った一つのスーツをじっくり自分の物にしてしまうまで着込んでこそ、素適な着こなしがうまれます。馴染んできますし何より自信が生まれてきます。ですから昔から紺のスーツを地味に着こなすのがカッコいいと言われてきたのです。俳優高倉健の世界。最近、クールビズ的スタイルでのオシャレが目立ってきましたが、やはり気をつけなければいけません。妙に新しいモードファッションにはまってしまい、自分の今まで持っていた良さを見失ってる人が目立ちます。ライトなブルーのジャケットに白のオープンシャツ(勿論イタリヤもの)をシャツ襟をだして着てみたり。マルチェロマストロヤンニな雰囲気を持っている日本人がそんなにいるとは思えないですね。やはり高倉健的スタイルがしっくり来ると思います。一本のネクタイが沢山のオシャレからの誘惑を抑えてくれます。なぜならネクタイを結ぶとほぼできるスタイルは限られてくるからです。(あるいはネクタイをしてるというイメージでネクタイをはずす感覚) オシャレのためのネクタイではなく自分のスタイルを作りこむためのネクタイ、そんな感じでネクタイに接してみればあなたにも男の美学が読めてくるでしょう。
Written by 慶伊 道彦July 10,2007
フィレンツェで年2回開催されるP I T T I をからめて、パリ 2日間、フィレンツェ 2日間のショートトリップ。
そこでのウィンドゥディスプレイからの情報をお伝えします。
1.ホワイトパンツ
白パンツはパリでも、NYでも、もちろん東京でも旬。
写真はゼニアのディスプレイですが、白パンツが全体をクールに決めています。
極端に云えば、ネイビージャケットでもブラウンジャケットでも、白パンツがあればピタッと今風なスタイ
ルになります。来年もこの傾向は続くようですから、あなたもクローゼッ トから手持ちのやや古いスー
ツを取り出してみてはいかがですか?
2.ウィンブルドン
ウィンブルドンが先週終わりました。パリでも(もちろんロンドンでも)、多くのお店のディスプレイがウン
ブルドンをテーマとしていました。でもやはり、ポロのウィンブルドンは圧巻です。さすが、公式ユニフォ
ームデザイナーです。
この後、引き続きUSAオープンも担当していると思われますから、6月~8月、商いの閑散期ではあ
りますが、ポロショップのウインドゥだけは見逃せませんね。
クラブ(あるいはオフィシャルな仲間)がファッションのキーワードとなっていますが、ポロが大幅に抜け
出している事は間違いないと僕なりに思います。
3.秋物
フィレンツェは気温40度にもかかわらず、この時期有力店のウィンドウは秋物に。
写真はその中でも特に 気に入ったディスプレイです。
ラギットに 起毛をかけたグレーウールコートが、暑い夏をふっとばします。
白のシャツ、グレーのグレンチェックスーツと今風コーディネイトですが、そこにキャメルのタイとセータ
ーが新鮮さをきわだたせています。(プラス ライトブラウン)
次は茶の時代かな?と予感させますね。
まずはアクセントカラーとして取り入れてみてはいかがですか?手持ちのグレースーツに!(ネクタ
イ、チーフ、シューズ、インナー、スカーフ、,,,,,,,,etc)
Written by 慶伊 道彦June 15,2007
ビジカジ!(ビジネス to カジュアル)
この夏はビジカジの新しい気分で乗りましょう。
あなたの今、手元にあるモダーンスーツをボールドな解釈で(大胆に)フレッシュなスタイルに変えましょう。
必要なのはロッカーに放り込まれて泣いている手持ちのピンストライプスーツ、バンカーシャツ(ロンドンストライプ)、トラディショナルタイ、それにジーンズ。これらの定番アイテムを組合せして、アクセサリーのベルトとシューズを変え2例提案しました。
A ・東京 ハイスタンダード
紺のスキニー・無地タイ、白のデニムジーンズ、紺白のリボンベルト、茶スエード・サドルシューズ。
白のパンツとプレッピーアイテムというトレンドを取り込み、若々しいビジネススタイルとなりました。
B ・N Y ハイスタンダード
紺のレジメンタルタイ、ブルーデニムジーンズ、コンチャベルト、焦茶スエード・プレーントウシューズ。
今、NYでのトレンドはちょいウエスタン、ちょいプレッピー。
ピンスト・スーツにジーンズ。派手バックルベルトでのお遊びをレジメンタルタイとスエードシューズでひき締めました。
Written by 慶伊 道彦June 11,2007
暑い夏!白いシャーツに紺のネクタイで爽やか気分!
もし見た目のクールビズというなら、これに優る組み合せはないでしょう。クラス感、クルーズ感、トレンド感。
ドイツのハイリゲンダム・サミットが終わりました。(いつもの様に政治的な考えはゼロのオシャレ感だけからの話ですが) こういった晴れの舞台のスタイルにはつい関心を持ってしまいます。意外と時代の流れを感じ取ることが出来ますし、各首脳が一応一流スタイリストと考えられる人を使ってのコーディネイトだと考えられますから。
その印象からですが、やはり伊ベルルスコーニ氏がいないと場がしまりませんね。そしてネクタイはストライプ柄が目立ちました。また、ブッシュ大統領お決まりの赤の勝負タイからはファッションを超えた自己主張が感じられますし、サルコジ氏の選挙運動時から印象に残るシックなネイビーの無地ライクなネクタイはセンスのよさと男の辛抱が感じられ、紳士ルックのお手本といえるでしょう。
安倍首相は、流行のライトグレーのスーツに白のシャーツと時流を取り入れなかなかでしたが、3ボタン上二つ掛けスーツなのと、ネクタイで損をしましたね。一日は明るいブルーのストライプタイ、当日はイエローのタイでした。女性のスタイリスト担当なのかなぁ、残念ながら勿体ないですね。ここはやはり前述した紺のプレーンタイがよかったと思います。単純に紺! 紳士スタイルは引き算(そぎ落とし)感が大切です。
今サミットのVゾーンでのファッション大国同士の戦いは、ネイビーのプレンなタイでクラス感をだしたサルコジ大統領の一人勝ち?
余談ですが、ファーストレディのC EC IL IA夫人、昭恵夫人はどちらも近年まれに見る高いレベルで素敵でしたね。(Jackieを彷彿させます)
Written by 慶伊 道彦May 29,2007
いよいよ蒸し暑さが本格的なシーズンが近づいてきました。
即、半袖とかノータイだと云う方には関係ない話を!
(今に始まったわけではない)日本の夏でも絶対きちんとしていたいと云うジェントリーなおシャレをする方へのサジェッション。
A.2ボタンスーツ下1つ掛けスタイル。(3ボタンでもOK)
スーツ(ジャケット)の一番下のボタンのみ留めて、あえて上のボタンを外す着こなしは大人の余裕を感じさせます。当然、上衣は上のボタンを留める様な構造の為、下のボタンだけを留めると胸の部分が開き気味でオープンになります。下のボタンはお臍の下の位置で留めるので、体型もカバーされ見た目にも涼しさを感じさせます。一度トライしてみて下さい。もしかしたら病み付きになるかも?
60年代のケーリーグラント映画でもこのスタイルシーンをよく見ますし、この時期ラルフローレンも好んでこのスタイルをしていました。
この様に正統派トラディショナル ワードローブを着こなしだけでストリートな味を出せる様になれば、本物のおシャレさんといえますね。
B.オックスフォードシャーツとシルクニットタイ。
プレッピー再来の今、この組み合わせは今シーズンのマストアイテムです。
もちろん写真の様にクレリックシャツでなければいけないわけではなく、白のオックスボタンダウンに黒のシルクニットタイという組み合わせがNo.1かつコンファタブルなスタイルでもあります。
それにニットタイは暑い時には少しゆるめて結んでいても様になりますし。
当然、スーツでもジャケットでもOKですが、時にはシャーツを腕捲りして上衣なしでも雰囲気は出せます。
C.リネン混シャーツとブルーカラー。
リネン混は撥水性など機能面でもGoodですが、見た目の清涼感がよりクールさを引き立たせます。白地にブルーのストライプがさらにクールさを加えます。
ネクタイはブルー地のストライプを選ぶのも同様の理由です。
白カラーとブルーカラーは、今シーズンの〝大人のマリーン″。クルーズ感とクラス感の両方を感じさせるお得な組み合わせです。