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慶伊 道彦

慶伊 道彦

”FAIRFAX” 代表取締役

1976年、青山にてネクタイブランド"FAIRFAX"を創業。
東京発"ボールドトラディショナル"を切り口にし、現在では、ドレスシャツも手がける。フェアファクスという社名は、当時ワシントンにあった、フェアファクスホテルからインスパイア、小さくても知性、品格、歴史の感じられるブランドを目指す。

黒のニットタイ

Written by 慶伊 道彦April 12,2010

60年代、IVY全盛の頃、僕達にとって黒のニッ トタイは絶対に欠かす事が出来ないマストアイテムでした。何故か、他の色ではさまにならないのですね。色合わせをしないで、黒(もしくはチャコールグレー)で、きよく締めるのが、カッコよく、それはパンツや靴にも同様といえました。
例えば、ブラウン系のジャケッ トに合わすパンツの場合、今風に考えればベージュなど同系でですよね。靴も茶が普通です。ですが、当時はそれがすごくダサク感じられました。合わせるのは、春ですと トロのチャコールグレー、秋ですと黒のフランネル。靴ももちろん先っちょだけピカピカに磨いた黒でなくっちゃ。
そしてネクタイは、我らが黒のニッ トタイ。そこには若さの輝きがありました。
色合わせをするというのは、イタリアンコンチが流行ってからだと思いますが、僕らにとってはやはり何かオジン臭いスタイルに思えました。

先日「さよならをもう一度」を見ました。
サガンの「ブラームスはお好き」が原作です。イングリッ ドバーグマン、イヴモンタン、アンソニーパーキンスという洒落た 組み合わせです。トニパキがこれでカンヌ映画祭の主演男優賞をとった事はあまり知られてはいませんが、一年前の「サイコ」の好演を引きずるかのような、艶のある濡れた瞳の若者の演技に 引きこまれました。
トニパキもイヴモンタンもネクタイの合わせは黒。映画が白黒の時代だった事もあり、当時のオシャレさんは必ずといっていい位、ネクタイは黒が多かった様に思えます。多分顔がしまってみえるんでしょうね。
今秋は、映画でいうと白黒の時代の合わせ方が素敵に見えます。是非シャレた二人のセンスを堪能出来るこの映画を観て参考にしてください。
最近、紀ノ国屋書房からDVDになり発売になりました。

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バーテンダー

Written by 慶伊 道彦April 05,2010

銀座の古いビルの一角に TENDERがある。かの上田和男氏のBARである。
その経歴や腕前ぶりは、語る必要もない位に 有名であります。今日お話するのは、その上田さんの最近の話。

10年間に 出た初版「Cocktail Technic」が、いよいよ英訳版が出版されることになりました。それだけ海外のバーテンダーにも要望が多かったのでしょう。昨年も、ニューヨークタイムズに ドカーンと上田さんの “ハードシェイク” カクテルテクニックの話が紹介されていました。そういういくつかの話題が重なり、
4月中旬に ニューヨークで開催される世界バーテンダー技術会議?では、堂々とメインスピーチの場が与えられました。いや~、まったくすごい人ですね。本来、カクテルという欧州発の文化の中では、有色人種はなかなか評価されないものです。スポーツでも大きな大会の惨敗の後、彼らに有利になるかのようなルール変更があるのも似たような事でしょうか。

メンズファッションの世界でも同じです。TRADというスタイルにおいては、アジア発のブランドが認められる事は非常に難しいです。これが、ストリートとかアバンギャルドとかですとカルチャーの違いという事がそれほど影響することもないのですが。消費者である我々もなんとなくWASP,ワスプに憧れる所がある事も事実ですしね。そんな中、最近、人気の出てきた “エンジニアガーメント” は、ですからたいしたブランドなわけです。日本発TRADスタイルを世界に広めた訳ですから。

上田さんは “バーテンダー道” というべき独自の技術を欧州人に 認めさせたのですから、これは本当に
スゴイ!!

話はもどりまして、僕はTENDERに行くと必ず、まず一杯目は “テンダーワン” と決めています。なんとなく上田さんとの出会いに感謝を感じて。

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Cary Grant

Written by 慶伊 道彦March 29,2010

この春は、グレーを中心にナチュラルな色が流行っている様です。そして、この動きは来秋まで 続き、グレー、ネイビーが基調色となるみたいです。(雑誌とか新聞とかのニュースからですが。)やはり注目の60年代女性のエレガントでクラシックな装いには欠かせない色だからでしょうか。紺大好き少年の僕としてはうれしい流行ですね。
メンズの流行は、当然女性のスタイルに 影響を受けますよね。何故なら、極端な事をいいますが、一緒に 行動する男女が、片方が森族で片方がトム・フォードではおさまりがつかないでしょ。
という訳で、来秋にかけての男性の服は、グレー、紺で決まり。

特に、グレーの中のグレー、グレーフランネルのスーツが大ブームとなりそうです。
(きっとユニクロでもH&Mでも???) そこで登場願うのは、我らがダンディ大将、ケリー・グラント氏です。彼ほどグレーフランネルのスーツが似合う男性はいませんよね。それが、ブリティッシュであっても、トラッ ドであっても。今年はケリー・グラントの映画をいっぱい見直して、机上には写真をたてておきたいと思いま
す。(こちらはゲイではないですよ。)

皆さんも、今いちど、“北北西に進路をとれ” など名作を楽しんでください。

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ゴルフテイスト

Written by 慶伊 道彦March 23,2010

今春もう一つの流行りものとしては、Harrington Jacket。(いわゆるバラクータJ.)
マックイーンの写真でおなじみです。しかし本当によく似合いますね。マックイーンのバラクータは。カッコイイ!
50~60年代に大活躍。80年代プレッピー時代にもチョイト出番のあったバラクータJ.ですが、今春はゴルフウェア関連のブームにも乗って、再登場。
ボタンダウンシャツやポロシャツの上にクールにはおり、60年代の風を感じて下さい。
先日お 話した"MAD men"のシーンにも多く登場しています。

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マリーンテイスト

Written by 慶伊 道彦March 15,2010

今春、コーディネイトに 加えたいNo.1は、ボーダーポロシャツでしょう。
元々は、セーラーが着ていましたから当然マリーンルックの代表といえます。
Wプレスレッ ドのネイビーブレザーが流行るとか聞きますので、この春はマリーンルックをプラスした着こなし方に旬を感じます。単純に 紺=マリーン。
いわくセントジェームスス トライプの着こなしで印象深いのは、P.ピカソです。僕の若い頃はこれを写真で見て、なんてカッコいいんだろう、このセーターはどこで買えるんだろうとメッチャ悩む不思議な時代もありましたが、今ではどこででも(ユニクロでも)手に入りますね。
横ス トのセーターなり、ポロなり をニューポートブレザー(当然、紺)に合わせて、グレートロかホワイトチノズのパンツで 闊歩して初夏をとらえましょう。
写真の様なタイドアップも素敵!

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プレッピーミュージシャン

Written by 慶伊 道彦March 08,2010

ヴァンパイヤ ウイークエンドの新作 "コントラ"のアルバムカバーには、ブロンドの若い女性の写真があしらわれている。彼女が襟を立てて着ているポロシャツは、ラルフローレン。いかにもヴァンパイヤ ウィークエンド(以下VW)らしいアルバムカバーだ。VWの4人は、アイビーリーグの一つであるコロンビア大学出身。しかもインタビューの当日、エズラ(ヴォーカル)が着ていたシャーツは、ラルフローレンのラグビー!つまり、エズラは本物のプレッピーの系譜を汲む青年だ。(以上、ミュージックマガジン1月号より)

僕が初めてVWを聞いたのは、昨年の春。ジャケットがなんとなく気になり買いました。やはり、ジャケット同様学生っぽい雑煮ワールドミックスな音楽に若々しい感覚を嗅ぎました。ですから、インタビューでのラルフローレン大好き発言も、意外でなくかんじました。なんとなくタイプは、東部ではなくWESTっぽくてビーチボーイズに似ているなあと思いましたがどうなのでしょうか。また音楽の方向性は違いますが、このアマチュアっぽい青臭さから、80年代のREMのデビュー盤を思い出しました。
いずれにしろストリート系や紅白系のスタイルが全てのミュージシャンの世界で、久々に真っ当なスタイルをした青年なので応援したい気分ですなぁ~~。
IVYルックで決めて、初期の頃のRAP、グランドマスターフラッシュあたり?、を吠えるとかっこいいんじゃあないかと、アマチュァ音楽愛好家は考えます

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Pitti  四方山話

Written by 慶伊 道彦March 02,2010

1月、6月は、メンズファッション見本市、Pittiの月です。スタッフが行きましたので、写真をちょいと紹介します。
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pitti1-02.jpg 今回のテーマ
pitti1-03.jpg Pitt i会場内
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ミラノへはユーロコースターで、フィレンツェから1時間45分。
pitti1-05.jpg FIATTのオブジェがモンテナポリオーネに。
pitti1-06.jpg ラルフローレンの店に長蛇の列、セール

フィレンツェのウィンドウはもう春です。今年のキーワードが、写真から読み取れます。

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MAD Men's Lady

Written by 慶伊 道彦February 22,2010

先週終わりに 書いたウーマンリブ以降の女性の変化に関して凄い反響がありましたので(ウソ)、その続きを。
ウーマンリブは60年代後半から起こった女性の性差別撤廃 等の運動で、その後の男女平等社会の推進に大きく貢献しました。
日本でも60年代後半の全共闘運動をきっかけにして、ラジカルな活動をした中ピ連の榎美佐子に吊し上げられる男性シーンが社会現象となりました。
さて、かのアメリカでさえも60年代後半からの女性への社会観がようやく変わったのですから、ごくごく最近なのですね。
しかしながら、このブログでは違う観点からチョッ ト考えてみたいと思います。たいした事ではないんですが。
ウーマンリブの始まる前の50~60年代の女性は実に魅力的でしたね。(あくまで男性側からかも知れませんが) そして、なにより 服装センスの良いのに感心します。エレガントでアートでクラシックで。昨秋からデビューした トムブラウンのブラックフリースLady's のイメージにも近いかな?当時の素材をデザイナーが好んで素材として取り上げるわけですね。
Mad men に出てくるLadyの中では、特に 2人が話題になっています。一人は、セクシーなワーキングガールJoanことChristina Hendricks。いや~!セクシーですね!それにとってもおしゃれです。こんな秘書が会社にいたら、その会社の機能はマヒしてしまうでしょうね(笑)。
もう一人は、主人公DonのMrs.Draper役 January Jones。上流を夢見る奥様スタイルがとっても素敵です。50年代の服装センスには本当に 魅せられます。写真は、イギリスGQからですが、国を問わず昔の女性に男性が魅力を感じるのが面白いです。そんな訳で、"Mad Men"は男が見ても女が見てもおもしろいドラマですゾ。

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話は変わって映画。先日観たペネロペクルスの「抱擁のかけら」(監督ペドロ・アルモドバル)。ペネロペの魅力満載のおいしい映画でした。50年代のアメリカ女性の魅力は、いまはスペイン映画の中で生きています。(よかった~)
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MAD Men’s the GRAY

Written by 慶伊 道彦February 15,2010

先週の白シャーツの話から伺えますが、MADな男たちのユニフォームは、クラシックスタイルです。体に程良くフィットさせてオーダーしたらしきスーツを着込むのは、部長クラス。いわゆるコンポラスーツ。2ツボタンの広めのVゾーンスーツ、短いサイドベント。若手は、3つボタン、トラッドスーツ。当時は、トラッドスーツは既製服の定番でした。役柄を示してはいますがいずれもスタイルはクラシックでキメキメ。白シャーツに、カラーピンをしたりタイバーを挟んだり、たまにはクレリックシャーツで遊んだり。もちろん、ネクタイも欠かせない大切なアクセサリーです。レジメンタル、ソリッド、クレスト、ワンポイント、チェックもまれに。組み合わせがおしゃれですね。スーツのラベルの型を見ているだけでも飽きません。セミクローバー、フィッシュ、ピーク、ラウンド、、、ベントもフック、センター、ちびサイドベント。やはり、当時は、GRAYが中心でしたというより全てがグレー。まれにブルー。今では溝ネズミ色などと揶揄されていますが、クラシックとはシックで目立たないものなのですね。それから、だからこそワイルドでSEXYな男達の行動もバランスがとれるのでしょうか。
お酒もこの時代には欠かせません。職場のシーンでは、部長の部屋にはウイスキーセットが置かれ、原則4時以降からは飲み出します。今でいうcoffeeですかね。(ハッピーアワーという言葉もここからでたとか?)BARでは、マティニーが主役、もちろんレストランではシャンパン。まさに、全シーンに、アルコール、タバコ、アルコール、タバコ、そしてSEX。(クレイジー&MAD)いつ仕事をしているんだろうと感心してみてしまいます。(苦笑)
主役をはるのが、John Hamm。ドラマの中では一番シニカルな役どころです。スタイルも一番スタンダードなおしゃれです。グレーのスーツにグレーのタイで決めることも多いので今の時代でも着こなしの参考になります。雑誌GQでも、彼を取り上げてGRAY特集していました。
女性の服装ももちろん、インテリア、建築物なども素敵なので女性にも楽しいドラマです。是非!(この後、10年後くらいあとから例のウーマンリブ運動が台頭して、なにはともあれ女性の地位向上と引き換えにミッドセンチュリーな魅力のダウンが始まったとさ) 

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MAD men を楽しむ

Written by 慶伊 道彦February 08,2010

2010年、始まりましたが今年もよろしくお願いします!
早いですね、もうすぐに アカデミー賞の月です。今年は、なんとなく不作?!(アバターのせい?)その前哨戦という位置づけになるゴールデングローブ賞、そのTV ドラマ部門で ”MAD men”が最優秀を獲得しました。エミー賞も勿論。
今年のお正月は、話題のこの”Mm”全シリーズを一気に見ました。いかんせん、全巻一気にみたというのは、20年前デヴィッ トリンチのツイーンピークス(30話?)以来。こちらも20年歳喰っていますから、結構根気がいりました。しかし、よく出来たTV ドラマでしたので楽しめました。映画とくらべても全然遜色ないかんじ。当時の街並みや室内などセッ トもよく出来ていますし。
映画の内容は、僕の好きなミッ ドセンチュリー50年代後半のニューヨーク、広告業界に勤める男たちの物語。題名にマッ ドメンとあるとおり、出世、マネー、SEX、酒、そしてタバコ!狂いまくっている男たちのドラマです。(タバコ 会社のスポンサーがついているのかと思うくらい、全編タバコ、煙草、tabacco、、、しかし当時はそのくらい皆すっていたんでしょうね)
第二次世界大戦が終わり、アメリカは大量消費時代を迎えます。その時代のマーケッ ト戦略にもっとも影響力を持っていたのが広告業界。今と比べものにならないくらいの影響力。消費者は同質化を求めていましたので、大量に売れた時代です。(VWのカブトムシのコマーシャルは大ヒッ トしました)
当然そこで働く男は、エリートで羽振りがよく時代に超敏感、そしてSEX三昧。今でいう、ヒルズ族に近いものでしょうね。会社で働く女性陣もセクシーで素敵なドレス。背景になるオフィスや家のリビングなどの家具調度品、グラスセッ ト、、、ニューヨークが一番!という人種の物語。ここでは、いろいろ詮索せずに素直に彼らの50年代世界にとっぷりつかってみるのが、このドラマを楽しむ上でのルールでしょうかね。
服装に関しては、次週書きますが一つだけ。ドラマ第一巻にでてくる場面ですが、部長が自分のオフィスの部屋で着替えるシーンですが、デスクの引き出しを開けると、そこには白のYシャーツだけ5枚ほど積んであります。いや~~贅沢なシーンでしたね。

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中野 香織

エッセイスト/服飾史家/
明治大学特任教授

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